ブラウザがOSになる日
以前から「ブラウザがOSになる」みたいなことが言われてきたけど、最近のHTML5の動き、例えばローカルストレージAPIやCanvas、O3Dなどのグラフィック機能の導入などを見ると、ますますそれが現実的になってきたのかなと思い始めてきた。アプリがクラウド上で実行されるというのはわかりやすい例だけど、Palm PreのwebOSの実態はLinux + WebKitで、アプリケーションはJavaScriptで書かれているそうで、さらに一歩進んだ気がする。
関連して、もう一つブラウザ関連で非常に重要だと思うのが、サンドボクシング機能。つまり、ブラウザ上でネイティブアプリを安全に実行する機能である。Active Xを彷彿させて、いいイメージを持てないかもしれないけど、GoogleはNative Client(NaCl)と呼ばれるオープンソースプロジェクトを進めているし、MicrosoftもXaxという研究プロジェクトを進めている。ある意味ブラウザがOSを通り越して、VMMになるようなイメージだよな。見過ごしてきたけど、この分野のサーベイも必要だな。
ぱっと論文を見た感じでは、NaCIはvx32に近いアプローチを取っているようだ。NaCIベースに9vxみたいなことができないだろうか。
- グーグルが賭けるHTML 5の未来 (@IT 2009-05-28)
- Google Native Client
- Leveraging Legacy Code to Deploy Desktop Applications on the Web (OSDI 2008) MSRによるXaxに関する論文。
NaClに関するblog記事
- ブラウザで X86 のマシン語を動かす! Google 謹製 Native Client をさっそく試してみる (IT戦記 2008-12-09)
- Native Client (mootoh.log 2008-12-09)
(追記:2009-06-30)NaCl論文の著者の一人に日本人がいる。岡坂史紀さんだ。氏はGoogle以前は任天堂でes、学生時代はAct8というOSを研究開発していた。このAct8はたしかマイクロカーネルでOSパーソナリティとしてPlan9を採用していたはずだ。