Plan9というオペレーティングシステム

なんとなくこの日記ではPlan9のことについて書いていこうと思う.

Plan9UNIXを生み出したベル研の面子が作った分散OSだけど,最初は簡単な歴史から始めようと思う.

UNIXは計算機リソースをファイルとして抽象化することで,コンパクトでポータビリティのあるOSとなった.UNIXは草の根的に広がっていくのだが,彼らが当初ターゲットとしていたミニコンから,ワークステーションへと技術革新が進む中で,ネットワークやビットマップディスプレイ,マウスといった新しい計算機リソースに対応する必要がでてきた.その結果,デファクトとして生き残ったのが,UCBのソケットとMITのX Window Systemだった.ソケットは通常のファイルと微妙にインタフェースが違うし,Xなんかはまったくの別物である.

そこで,UNIXの開発達は考えた.原点に返ろうと.そして,ファイルへの抽象化をとことん追求したOSが生まれた.主な開発者のRob Pike*1は,"Not only is UNIX dead, it's starting to smell really bad."という有名な(?)言葉を残している.UNIXが誕生して30年余り,実用的なOSではあるが,数多くのバッドノウハウを見るにつけ,この言葉を思い返さずを得ない.

*1:そんなRob Pikeは今はGoogle LabsでSawzallという新しいプログラミング言語の研究をやっている.