acmeとOberonの類似性

acmeユーザインタフェースは独特で癖があるんだけど,Oberonみたいだと指摘された.acmeにはアイコンベースのメニュの代わりに「タグ」と呼ばれるテキストベースのメニュ(のようなもの)がある.タグにはテキストで"New","Cut","Paste"のようにコマンドが書かれていて,それをマウスクリックでevalすることができる.例えば,"Put"をクリックするとファイルが保存される.これだけだと普通だけど,ポイントなのは,テキストは何でもevalできるということ.このタグの領域はユーザが自由に編集できるので,grepを実行した結果をウィンドウに表示したりといった,Emacsのミニバッファのような使い方もできる.

そういえば似ているかもと論文をチェックしてみたら,「Acme: A User Interface for Programmers」にCedar,そしてOberonから受けた影響について書かれている.
OberonはPascalの作者であるNiklaus Wirthが開発したプログラミング言語+実行環境で,Pascal(というかModula)版Smalltalkみたいな感じか.WirthはXeron PARCでのサバティカル中にMesaやCedarにインスパイアされて,ModulaやOberonを開発したらしい.
Oberonについては,Project Oberon - The Design of an Operating System and Compilerに詳しい.

(追記:2006-11-05) Wirthと言えば,「Algorithms + Data Structures = Programs」や「Algorithms and Data Structures」などの教科書が有名だけど,後者のOberon版がPDFで公開されている.