GREEオープンソーステクノロジー勉強会「データセンターのあれこれ」
クラウドコンピューティング時代の情報発電所は、電気を作り出すのではなく、電気をバカ食いする。情報を生み出すために使われる電力はすべて熱に変わるので、その熱をどう処理するかが問題になる。というわけで、さくらインターネットの加藤さんによるお話は、データセンターにおける省電力、冷却の話題が中心だった。
(山根さんがおっしゃっていたように)グリーンITは最近のBuzzwordである。私も何度か講演を聞くことがあったので基本的な知識はあったが、2003年あたりから独自開発されているフレームサーバの話がおもしろかった。床下空調でも効率的に冷却できるようにと、M/Bをブレードサーバのように縦置きして、ラックマウントの上下の仕切りをなくすというものである。まぁ、今時の計算機センターやデータセンターでは、コールドアイルとホットアイルをわけるという空調設計が普及してきているが*1、さくらのようにユーザが直接データセンターに入って作業できる形態の場合は、セキュリティ的な観点から実施が難しいようだ。今後はさらに1UハーフサイズやクォータサイズのサーバをBack to Backマウントする予定らしい。
データセンターが電気をバカ食いするといっても、総発電量に占める使用量は、日本では0.5%、アメリカでも1.5%程度である。1%でも十分大きな値だし、これからますます割合が増えるとは思うが、IT機器の省電力化をがんばってもたかが知れているとも言える。ソフトウェア屋としては、ITの利用によって省電力に貢献できる技術をもっと考える必要があるのだろう。ちょっと的外れだったかもしれないが、会場での私の質問*2はそんな意図があってのことだった。例えば、遠隔会議で省電力という話はよく聞くが、実際のところどのくらい効果があるのかな?
他にも聞きたいことはあったが、残念ながら懇親会は不参加。オープンソーステクノロジー勉強会に参加したのは始めてだったけど、予定が合えばまた参加したい。GREEのボールペンをもらってきたお返しに、簡単な報告を書いてみました。
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*1:NTTファシリティーズではアイルキャッピングと呼ぶらしい。キャッピングというとパワーキャッピングの方が思い浮かぶが。
*2:「グリーンITには、IT機器の省電力化という面の他に、ITを使って省電力に貢献するという面もある。本日は前者の取り組みに関する紹介だったが、後者の取り組みは行われているか?」まぁ、データセンターに話を閉じると、ソフトウェアでできることはたかが知れているかもしれない。でも、運用をやっているからこそ気付く何かがあるかもと期待してみた。「仮想化とか」とも口走ってしまったが、サーバ集約して、台数が減ったので省電力とか、データセンターと仮想化は面白いネタだと思う。本当に運用すると、そんなおいしい話ばかりじゃないよという話はいろいろ出てきそうだが。