第4回カーネル/VM探検隊
5/8にIIJで開催された第4回カーネル/VM探検隊に参加、LTしてきた。80〜90名ぐらいの参加者があったとのことで、懇親会もお店貸し切りだったし、大きなイベントになってきたなと感慨ひとしおだった。みんなあちこちでPlan 9に言及してくれたし、変態御用達OSとして不動の地位を築きつつあるという思いを新たにした。当日の様子はUstやTogetterにまとめられているので、そちらを参照してね。
私のLT(「IL:失われたプロトコル」)はIL (Internet Link)という誰も知らないだろうマイナープロトコルについてだった。Plan 9のインタネットアクセス用にDave Presottoが作ったトランスポートプロトコルである。Plan 9に興味ない人でも、TCPはストリーム指向のプロトコルなのでメッセージの切れ目を伝えることができずに困ることがあるとか、リモート実行をパイプでつなげる場合にはハーフクローズって仕組みが活用されているとか、知ってもらえれば幸いだったかな。
ILは、つい最近までken fsで利用されていたようだが、カーネルから外されてしまいPlan 9をインストールしても使えないし、当然Linuxなどの他のOSでサポートはされていない。「なんでILを使うのかわけわからない」という指摘はもっともである。まぁ、ILは置いておいて、(時間がなくてちゃんと説明できなかったけど)SCTPやDCCPというメッセージ指向のトランスポートプロトコルが存在するし、共に実装はLinuxカーネルにマージされている。前者はSIPに使うために産業界から、後者はアカデミアから提案されたものだ。それぞれTCPとUDPの間のどこを狙うかのポジョション取りが微妙に違う。TCPを置き換えるものにはならないだろうけど、適材適所で使われていくのかな?
最後にPlan 9を疎結合してシングルシステムイメージOS、流行言葉を使うと「クラウド」OSを作りたいというKen Thompsonの発言を引用したが、9gridの仕組みを調べて、SheevaPlugをつなげてみるとか、やれるところから始めてみよう!と思った。