セカンドシステム症候群

設計士が完璧さを達成したと確信するのは、それ以上付け加えるものがなくなったときではなく、それ以上取り去るものがなくなったときだ。
    -- アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

簡明こそ自然。複雑は悪魔と人間の業
    -- カール・J・シンダーマン「サイエンティストゲーム」

ブルックスJrは著書「人月の神話」でシステム開発の落とし穴の一つとしてセカンドシステム症候群について書いている。Wikipediaから引用する。

ソフトウェア開発者が設計する「セカンドシステム」は、そのソフトウェア開発者がそれまで設計したもののうち最も危険なシステムである。なぜならそのソフトウェア開発者が、ファーストシステムで (固有の時間的制約により) 取り入れることを見送った全ての追加機能を、取り入れる傾向があるからである。このため、セカンドシステムの設計に着手するとき、ソフトウェア開発者はセカンドシステムに機能を取り込み過ぎないことを心がけるべきである。

セカンドシステム症候群で本当に怖いのは、単にシステムが複雑になることではない。ファーストシステムの段階では現実的(既定路線)だった技術が時代遅れになってしまったことに気付かず、無駄にオーバスペックなものへと進化の袋小路に入ってしてしまうことである。

ソフトウェアも文章もそうだけど、思い入れが深いものほどぐだぐだ書いてしまって、本筋が見えなくなりがちだよね。

大事なのは平易化ではなく、的確さと優先順位である。
    -- チップ・ハース、ダン・ハース「アイデアのちから」

サイエンティスト ゲーム―成功への道

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人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない (Professional computing series (別巻3))

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アイデアのちから

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